つつみさんの話
あの日は、お父さんは組の旅行で家にいなかったんです。どうやら、台風のために帰れないようでした。家が、川のそばにあるので、少し不安でしたが、まさかあふれるようなことはないだろうと、子どもたちと家の中で台風が通りすぎるのをまっていました。
夕方、まだ明るかったのですが、近所の人が、「つつみさん、寺にひなんしょうに。」とさそいに来てくれました。私は、ひなんしなくてもいいのではないかとも思いながら、みんなで寺に行きました。
そして、夜が明けてみると、私の家はえらいことになっていました。川の水があふれて、家の中にどんどん入ってきていたようです。あのまま家にいたら・・・と思うと、ぞっとします。
私は、やっぱり、ひなんはぜったいに早くしなければならないと強く思いました。 |